さっきゅう、浜辺を歩く、ふりでゆく

いっこまえ

韓国国立現代美術館ソウル館に着いたのは20時すこしまえだった。ロッカーの使い方を日本語で教えてもらって、ああさすが美術館スタッフ! となりながら受付へむかう。ここは18時以降は無料で観覧できるので、にこやかなおかっぱの男性にこれまた日本語で対応されながらチケットを発券。閉館は21時なので、明日のための下見だなというモードで展示を観てゆきます。


f:id:seimeikatsudou:20180106193855j:plain
美術館のちかくにたっていた


まず足を踏み入れたのは韓国美術家賞2017。今年で6回目になる国家主導(主催のかたわれが国立現代美術館だからこう書いたけど、まちがっていたら教えてください)のアワードで、まいとし4名の現代美術家がファイナリストとして選出され、プレゼンやら展示やらをやってグランプリをきめている。1_WALLみたいだなと思いつつ、こっちはすでに活躍している作家たちのためのコンペティションで、公式サイトで「The Korea Artist Prize is the most prestigious award for recognized Korean artists. 」と謳われているとおり、韓国の現代美術界にとってでかい賞であることがうかがえる。


f:id:seimeikatsudou:20180106195203j:plain


展示のさいしょに置かれていたのは、森や滝、絶壁などにたたずむ制服姿の少女たちを描いているサニー・キムの作品。あまりピンとこなかったので写真を上記のものしか撮っていないのだが、これは舞台セットのようなでかいペインティングに生身の少女たちがパフォーマンスをしている映像をプロジェクションした作品となっていて、そのメディアがまじっている感じ、現実と非現実、空間と時間といったような二項対立をおもしろく思った。


f:id:seimeikatsudou:20180106195514j:plain


つぎはペク・ヒョンジンのインスタレーション。孤立した部屋をつくって、そのなかにペインティングやテキスト、オブジェをちりばめる。中心となっていそうな机に置かれた数々のテキスト(部屋に入ったとき、美術館の職員と思われるおばちゃんがばらばらにきざまれたテキストを片づけていたのだがあれはどこまでが作品の範疇だったのだろうか?)が、ハングルが読めないのでよくわからないけれども、《UnemploymentBankruptcyDivorceDebtSuicide Rest Stop》というタイトルは好きで、キャプションに黒塗りしたり、無造作なモノの置きかただったりとグラフィティ的な落書き根性みたいなものもぼちぼちよかった。


f:id:seimeikatsudou:20180106195257j:plain
部屋のまえのスペース


こんなペースで書いてたら春になっちまうぞ!
つづく