階下に置かれた受話器を取る手(かつての友人のような親しさで(もう家屋は焼けてしまった

タルコフスキーといえばまいとし都内で特集上映が開催されており、まいかい多くのひとでにぎわっているが、ぼくは今年『ノスタルジア』を観た。冒頭の、深い霧がただよう丘に立つ女たちと犬、そして木々と湖……その前面にスタッフロールが流れるシーンだけで胸がいっぱいになり、その凄みに感服するほかなかった。1シーンが1本の映画であること。本作のカットがすべて完璧かと問われれば、ちがうと答えるのだが、その姿勢に感化された。ちなみにあ、これぜんぶのカットがすごい! 完璧! となったのはハネケの『コード・アンノウン』。

端からふたつめの席に座り、端側、わたしの左隣では女が立ったままの友人と語らっており、右隣の男は席を離れ、左側から女が座ろうとやってきたので、右にずれたのだが、その女はどうやら「立ったままの友人」ではなく、どうぞ、というそぶりを見せた瞬間その場を去っていった。気まずい雰囲気が車内にながれた。電車のはなし。あと今日まったく見知らぬおっさんにすれちがちざまに罵倒をくらってアトラクションインザトーキョーって感じだった(この「ズレ」がいま書いている小説のテーマ。完成させられるかな。完成させたいな。

ホステスクラブウィークエンダーへいった。新木場でなく恵比寿でやってほしい。ガールバンドのダラと写真を撮った。思いでだ。アンノウンモータルオーケストラも観にいった。だいぶインプロな感じでひじょうにたのしかった。もっとでかい箱で観たらよりよいだろう。

先月はひさびさに詩手帖に投稿したよ。今年は詩集を刊行できたらいい。