フック、ブロ! ブロ!

ブログを書くぞと思うときはだいたい身体や精神に負荷がかかっているときが多い。かといって書かない日がつづいていたさいきんが、晴々としていたのかと問われればそれはちがうのであった。でもこないだひとりで神奈川近代文学館へいって、中華街でカレーを食べ、安部公房多和田葉子ラテンアメリカ特集のスタジオボイスを買ってからSTスポットで演劇を観て、翌日は友人のライヴを観てからカサヴェテスを観るという時間が過ごせたのはとてもよかった。詳細はのちのち書くと思う(ほんとか?

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神奈川近代文学館のある公園からみえる風景

前回の末尾で触れた中上健次はすでに読みおわり、バロウズの『トルネイド・アレイ』を経て、『チェ・ゲバラ伝』で闘志を燃えたぎらせたあと、古川日出男の『二〇〇二年のスロウ・ボート』に突入した。古川日出男は福島ということでつまり同郷なわけでそういうところに親しみをもってしまうよね(こういう連帯のありかたは、いきすぎてしまえば選民主義とかレイシズムに通じていくのだろうな
中上健次のにくにくしい感じはよいよな、ジェイコブはまあいままで読んだほかの作品に比べてそんなに好みではなかったけれど。
バロウズのはうしろの小論の方が長いっていう構成がおもしろかったね。それを書いてる椹木野衣の文の飛躍のしかた/強引さがよかった。こういう腕力だよな。これは装画の大竹伸朗、訳者の清水アリカ、著者のウィリアム・バロウズというこの本に関係する3人を、「ゴミ/ノイズ」をキーにして読みとくっていう構成になっているんだけれど、直後に読んだ『子午線通信』創刊号の稲川方人の文章とも接続できる感じがしてそれもぐっどだった。本自体のたたずまいも○。
ゲバラはもうとにかくアツいよな。『アカルイミライ』のラストシーンとか大好きなんだよおれは。ラテンアメリカ特集のスタジオボイスを買ったのはゲバラ伝読んだからだよ単純だなあ。積んでる『百年の孤独』とか『ペドロ・パラモ』とかいまが読みどきだな。

さいきん3万のTシャツを買った。あまり躊躇することなく、あーこれいいなー買おうーとゆるやかなスムーズさで買った。やっぱり服がいちばん好きなカルチャーだなと思ったよ。これまではお金がないから買えなかったけれど、お金があれば買ってしまうんだよ。つぎ込む優先順位の変動というやつだ。漫画買わなくなってしまったな、あんなに好きだったのにコミティアにもしばらくいけていないな、いきたいな。好きな服を着て、好きな場所へでかけていくことの幸福さ。自由な時間をぎゅうぎゅうにしばられているいま、その尊さやあたりまえ性をつよく思っている。これまでの人生、ひとりでも服の話ができる友人がほしかった。